くいのが最大の利点です。しっかり字を書きたい時、水に濡れてにじむと困る時は重宝しますよね。
最大の利点が最大の欠点になる場合もあります。「子どもがカベや床に書いてしまった…」や「ふとした時に誤ってつけてしまった」など。意図せずした場所についてしまい、こすっても拭いても落ちない、なんて経験もあるでしょう。
実は、油性ペンは成分と落とし方さえ知っておけば完ぺきとは言わずとも、きれいに落とすことができるんですよ!
今回は、種類別の油性ペンがついてしまった時の落とし方について解説していきます。
もくじ
油性ペンの落とし方
油性ペンには、一度ついたものを染み込みやすくする染料や、定着させる成分が入っています。油性ペンの落とし方は、落としたい対象である素材の材質などによって異なってきます。
「布」製品の油性ペンの落とし方
シャツの袖口や、子どもの体操服やズボン、衣服以外にもハンカチなど「布」製品についてしまった油性ペンの落とし方をご紹介します。
まず、マニキュアを落とすための除光液やエタノール、クレンジングオイルを使う方法です。油性ペンで汚れた布の後ろに使い古したタオルなどを当てがい、汚れた部分に少量ずついずれかを加えていきます。汚れの上から別の使い古しのタオルなどを用意し、優しくポンポンと叩いていきます。
これらを3〜4回繰り返し、じゅうぶんに落とせたらせっけんとぬるま湯でもみ洗いします。
除光液やエタノールは樹脂成分のものを落とす効果が高いため、比較的きれいに落とすことができますが、色が強いものだったり柄物だと色落ちしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
顔や手や皮膚についた油性ペンの落とし方
意図せず手や腕に油性ペンがついてしまうこともありますよね。皮膚についた油性ペンは日が経つごとに薄くなっていきますが、できるだけ早く落としたい方におススメの方法があります。
皮膚についたばかりであれば、家庭用の油やクレンジングオイルを使って油性ペンのインクを溶かす方法が早いです。しかし、すでに時間が経って乾いてしまっている状態であれば、「乳化剤」が含まれる日焼け止めクリームを皮膚に馴染ませて下さい。
それでも落ちないときは、「研磨剤」が含まれる重曹や歯磨き粉を使う方法もありますが、皮膚を削って表面の汚れを落とす方法になるので、肌が荒れやすい方は注意して使うようにしてください。
窓ガラスや壁紙やについた油性ペンの落とし方
窓ガラスや壁紙は、無茶に油性ペンの汚れを落とそうとすると傷ついて取り返しのつかないことになってしまうこともあるので慎重に行うようにしましょう。
窓ガラスについてしまった油性ペンの落とし方は除光液がもっとも有効です。ただし、一気に力を入れて擦ると傷がつく恐れがあるため、薄くなるまで根気よく優しく落とすようにしましょう。
壁紙にはエタノールを使った落とし方が効果的です。壁紙は、表面から傷がつきにくいようコーティング加工されてるものが多いです。エタノールをティッシュに適量含み、油性ペンがついてしまった場所に押し当て汚れを浮かせます。その後、柔らかいスポンジなどを使い、優しくこすり落とすようにします。
【参考:簡単な油性ペンの落とし方!服やプラスチックなど素材別の除去方法|生活110番】
お役立ちアイテム
油性ペンを落とす時にこれは用意した方が良いアイテムをご紹介いたします。
使い古しのタオルは必須アイテム
特に布製品の油性ペンの汚れを落とす時に裏に汚れが移らないように当てがったり、汚れを拭き取る際にも活躍します。どうしても手近に使い古しのタオルがない場合は、ティッシュペーパーやキッチンペーパーで代用しても良いでしょう。
どうしても落ちないときはプロのクリーニングへ
汚れがどうしても取れなかった時や、お気に入りだからできるだけ色落ちしたり傷つけたくない、という方には最終手段として、プロにクリーニングを依頼する方法も検討しましょう。
衣服などの布であればドライクリーニングを頼んだり、家などの壁紙や床などであればハウスクリーニングの業者に頼んでみましょう。
なぜ落ちにくいのか?3つの理由
油性ペンが落ちにくいのは、油性ペンに含まれる成分が関係しています。油性ペンの性質を知っておけば、油性ペンでの落とし方の対処法が分かるようになり便利になりますよ。
油分が含まれているから
油性ペンは、その名の通り成分に油(有機溶剤)が使用されています。油分は油分に溶けやすく、水分には溶けにくいです。いくら洗濯しても油性ペンが落ちないのはそれが原因なのです。
染料が含まれているから
色を塗るための着色剤には、主に顔料と染料の2つの種類があります。2種類にはそれぞれ、顔料は書く素材の表面に定着し、染料は書いた素材の中に染み込むことで色を定着させるという特徴があります。
油性ペンは主に後者の染料タイプが多く、素材に染み込むため一度書くとなかなか落ちません。染み込んでしまった部分まで削り取らないと完全に落とし切れないのです。
樹脂や定着剤が含まれているから
油性ペンは、落ちにくくするための樹脂などの定着剤が含まれてることが多くさらに落ちにくさに拍車がかかっています。樹脂には、油性ペンに含まれる成分を定着させ、一度乾いて固まると樹脂が油分を守ってくれるのです。
定着剤は、油分が定着しにくいビニール製品やプラスチック製品にインクが付けられるようにサポートしてくれる成分です。
まとめ
油性ペンは、一度文字を書くと落ちにくいのが最大の魅力ではありますが、意図せず場所や物についてしまうとたちまちやっかいなものへと逆転してしまいます。
今回ご紹介した、油性ペンの成分である「油」が含まれるものを使うこと、各素材別に落としやすいもの、を覚えておくと便利ですよ。汚れがついてしまったら迅速に対応することもきれいに落とせる近道になります。
今後、油性ペンの落とし方で困ったときなどの参考になれば幸いです。